ネット系スタートアップ企業が大切にしたほうが良さそうなこと3つ。


 
2011年9月に創業してから早くも半年強が経ち、自分のスピード感のなさや、コミット度の低さ、推進力のなさには反省だらけでございます。しかしそんな中でも、ゼロから立ち上げたことによって学べたことも多くあったので、ここに備忘録として残しておきたいと思いました。
今回は、「ネット系スタートアップ企業が大切にしたほうが良さそうなこと」がテーマです。
 
賛否はさておき。世の中の流れからいっても、ノマド、マイクロファンディングや超アーリーステージから支援してくれるVCの台頭、働く空間のタイムシェア(コワーキングスペース)など、「挑戦を応援する」という風潮、それ以外にも本当に有り難いサポートが沢山あり、「ネット系スタートアップは今が旬」とでも言うべき環境なのではないでしょうか。しかし、「今が旬」とはいっても、準備もせず望んだり、まともな事業を作らなければ長くは生き残っていけません。そこで、僕なりに感じた、スタートアップ創業時に知っておきたかった事業を作っていく上で大切な知恵や知識をまとめます。(私自身が創業から半年強であり、超零細企業という結果も出ていない状況で恐縮なのですが、、、)
 
なお、フィロソフィーや、創業の意味とか意義とか、細かい戦術論の話しではなくて、
もう少し、日々の生活(つまりは企業経営)に近い点で、ポイントをまとめてみました。
 
 

創業してから大切にしたほうが良さそうなこと3つ。

1)支出と収入への考え
2)時間への考え
3)失敗への考え

 
 
これさえあれば、大丈夫なんじゃないかな〜なんて、思います。
以下、本文です。お時間ある方、是非、御覧くださいませ。
 
 
なお、前段として、以下のブログはとてもオススメです。 by Kensuu氏
ネットサービス系ベンチャーを起業するときサービスが流行るまでは会社をやめないべきか?
日本でのネットサービスベンチャーの立ち上げ期はどうやって食っているのか
 
 

 
 
 

1)収入と支出への考え

結論から言うと、「ストック収入をなるべく増やし、ストック支出をなるべく減らす」ことが、とても大切だなぁと感じています。
これは、前職で学ばせてもらった収入の考えに、創業してからは支出の感度が上がったので、付け加えてみたものです。
 
 

収入と支出をちゃんと考えよう


 
 
当たり前なのですが、収入から支出を減算したものが、企業の”利益”であり、資本金を除いて事業に使えるお金というのはここから捻出することが一般的です。(借りる、出資を受けるもありますが、いずれは利益を出さなければならないので。) つまり、収入を最大化し、支出を最小化することが、一にも二にも、重要になってきます。しかし、収入と支出だけだと分かりにくいので、分類します。収入には、ストック収入とショット収入があり、支出にも同様に、ストック支出とショット支出とがあります。
それぞれのメリット/デメリットは以下のような感じです。
 
 

・収入:ストック収入

毎月、定額ではいってくるような売上げです。定額コンサルfee、広告代理事業、月額課金ビジネスなどです。メリットは、定額で入ってくるので浮き沈みがほとんどありません。中長期的な下支えになります。デメリットは、瞬発力に欠け、マネタイズまでには時間も労力もかかり、スケーラビリティに欠けることが多かったりします。しかしながら、hulu、Spotify、国内だとニコニコ動画の好事例もあるように、日本でも、コンテンツの潮流や課金のエコシステムが大幅に変化していくのではと注目しています。(レンタルサーバー、法人向けASP事業や月額課金サービスモデルなども極めて安定感がありますよね。)

 

・収入:ショット収入

大きく入る可能性はあるけれど、それ以降は基本的に発生しない売上げです。受託事業とかが馴染みやすいかもしれません。(※受託もストック化できます)
メリットは、比較的大きめのお金が動くので、短期的なキャッシュを生むことができそうです。デメリットは、急に傾いてビックリすることと、矛盾するようですがキャッシュになるまでには工数が意外とかかってしまうこと。などです。

 

・支出:ストック支出

継続的に発生する支出です。家賃、通信費、人件費、各種サービス利用料などが主たるものです。継続的に発生するので、短期的な視点では判断せず、本当に必要なもの以外は、絶対に契約してはいけません。使いたいサービスも多々あるのですが、自分の工夫でカバーできるサービスには、お金を落とさないようにケアします。ゆえに、月額固定でかかる”コスト(※補足参照)”については、数百円の出費にもセンシティブにいきます。

 

・支出:ショット支出

単発で発生する支出です。業務委託費、備品購入、食事代、などなどです。実質的な効果はほとんどないのですが、意識をつけるためにも、100円単位で削っていました。しかし、創業間もないスタートアップは当たり前に節約していると思うので、こちらは割愛します。

 
 
ストック収入を増やすことで、財務体質が安定し、来月の売上げに四苦八苦することなしに、脳みそを中長期的なほうへと向けることができるようになります。なので、私が新規事業検討をする際は、ストック化できるモデルをなるべく考えています。それは、b to bでも、b to cでもです。
 
また、ぎりぎりまでストックの支出を減らすことで、万が一に突然の収入減が発生したとしても、耐えられるだけの状態が作れます。私自身、200万円の資本金から始めたのですが、ストック支出がボディブローのように効き、信じられないほどお金が減っていきました。なによりも、ショット支出はコントロールがしやすいのですが、ストック支出はコントロールが全体的に効きませんので、使う際には、中長期的にみて本当に必要かどうかのジャッジを、とにかく慎重におこないます。その練習も兼ねて、数百円のストック支出にも慎重になると良いと思います。
 
 
ストック支出はしたくないのに、ストック収入を増やしたいとは何事だ、と思うかもしれませんが、だからこそ、結構、大切なポイントだったりします。
 
 
弊社も現在、運営しているトラベルメディアにおいて、数千人台半ばの月額有料会員(@525円)を抱え、その他のポートフォリオも組め、ストック収入が活躍してきました。もしも、ショット収入にこだわっていたら、こうはならなかったと思います。事業ドメインによっては相性が悪いのですが、ビジネス検討時点でストック収益化できないかどうかは考えたいところかもです。
 
 

適度なショット収益と、ストック収益を良好な状態を。

 
 

 
 
 

※補足

支出にも、「コスト」と「投資」があります。
コストとは、リターンがほとんどない無駄な支出を、
投資とは、リターンのある価値のある支出をさします。
その支出はコストか投資なのかを適切に判断し、リターンのある支出は積極的に使う。
これが、本質的には正しい判断になります。
 
ただ、ほとんどのスタートアップは、お金がないので、基本的にあんまり支出しすぎず、自力で頑張れるところは頑張るほうが、個人的に良いと思います。
僕の一つの判断軸は、{外注費}÷{自分でやるとかかる時間}>1000円 は なるべく自分でやります。
さらに、ノウハウとして習得価値があるものは、1000円を下回っても、やったほうが良い場合もあります。
 
たとえば、税理士の任用は必要ですが、経理のアウトソースとかはせず、自分でやっちゃいます。
稼げるようになってきたら、アルバイトや社員を入れるなどして、効率を良くしていきましょう。
(ただし、あまりに畑が違いすぎることはやらないほうが無難です。)
 
 
また、「稼ぐことばかりで・・・」なんて、思われるかもしれませんが、
クライアントやユーザーやお世話になっている方などにも、価値を絶対に返さなければいけないと考えている以上、我々が正しく稼ぐことは「誠実」であり、稼ぐことによって最大のバリューを発揮できるものです。
 
Wantedlyの仲さんのエントリーにも、とてもagreeだったのですが、資本主義社会である以上は、そのルールに従うべきです。
稼がないと、集客も、エンハンスも、雇用も、事業開発も、できません。つまり、返せるバリュー(リターン)がとても少なくなってしまいます。ユーザーが集まってから稼ぐという考え方も正しかったりするのですが、それに耐えられるだけの経営資源を持てる企業はごくごく一握りなので、それ以外にも、最初はマネタイズポイントを持っておいたほうが懸命であると思うのです。
 
会社が倒れてしまう理由の99%以上は、稼げなかった結果です。
事業の正しさを証明するには、最終的に、正しい利益を出すことしかないので、
スタートアップだからこそ、正しいことを正面からやって、正しく儲からないといかんと思うのです。
受託、コンサルティング、なんでもそうですが、汗水垂らして仕事をして、バリューを返すことに本気で取り組むのは、楽しくもあり、正しくもあることだと思います。
 
 
※注意
正しく稼ぐ・・・正しくない稼ぎ方は信義則に反するの意
出資を受ける・・・資本を注入してもらっても、最終的には稼いで事業の正しさを証明する必要がある
 
 

2)時間への考え方

続いては、「可処分思考時間」を最大化させることが大切、という話しです。
可処分思考時間とは、思考に使える時間を指しています。
 
これは、マイネットジャパンの上原さんが、創業間もない私のために、貴重な時間をアドバイスにあててくれた際に学んだことで、今、とても腹落ちしています。(その節は、本当にありがとうございました。)
 
当時の私は、準備もほとんどせずに起業したということもあって、mission(インターネットを通じて地域を活性化していきたい)を達成するために創業したにも関わらず、自己実現理論でいうところの、安全の欲求(参照)が脅かされているかのような精神状態にあり、地域を活性化するまえに、株式会社Loco Partnersがいなくなってしまうと本気で思っていました。(今思えば、そんなこともなかったのですが、、)

そのため、まさに悪い時間の使い方をしており、未来を思考することなく、短絡的な作業にばかり時間を割いていました。しかし、集中して作業している時間というのは、それ以外のことは考えられないため、思考することができない時間です。(頭をひねりづらい時間)  経営者として本質的に大切な、「未来を考える時間」が取れないのです。
 
するとどうなるか?
短期的には良いのですが、中長期的にみたときに、なんの結果も出ない状態に陥ってしまうものです。適切な思考時間の確保によってのみ、ビジネス検討、事業ピボットなど、冷静な経営判断ができるものです。 
だから、可処分思考時間を、いかに捻出して経営をするか、と言う点はとてもとても大切です。
(厳密には、働くこの世の全ての人にとって、大切な時間ですね)
 
もちろん、作業をしないわけではありませんし、
未だに全ての雑な作業を黙々とこなしています。あしからず・・・。
 
 

 
 
 

3)失敗への考え方

最後は、失敗を前提として取り組む大切さ、です。
10のチャレンジをしたら、そのうちの9以上のチャレンジ(つまりほぼ全部)では、一回以上、想定外な事件・失敗が起こります。これは、はじめから失敗する気があってしているわけでもなんでもなくて、チャレンジに対しては、「何度も失敗をした先にのみ成功がある」という前提で取り組んだほうが良いという意味です。失敗を前提に取り組めば、途中の壁にぶつかってやめることなんてなくなりますし、成功するまで突き進むほかなくなります。リスクもよいバランスでヘッジできるので、それもまた良い判断に繋がりそうです。
 
 
この点については、孫泰造氏のブログがとても参考になり、言語化されています。
参考1:失敗について
参考2:人生はスーパーマリオ
 
 
ちょっと長いのですが、抜粋させていただきます。
 

(孫正義氏からのアドバイスとして書かれています)
「ひとつ話をしてやろう。人生っていうのはな、言うてみれば、スーパーマリオみたいなもんなんだ。最初は下手くそなので1面のザコキャラの亀(ノコノコ)にだってすぐやられるし、雲にだってうまく乗れない。それがだんだん習熟してボスキャラのクッパのところまでたどり着けるようになり、そこで何度も失敗して挫折しそうになるけどそれでも何度も挑戦した結果、最終的にピーチ姫を助け出し1面をクリアできるようになるよな。そうしてやっと2面に行けるわけだけれども、2面は2面でまたさらに難しくなっていて、そこでも何度も失敗して、努力と工夫と訓練の結果ようやくクリアできるようになる。その繰り返しで3面、4面とクリアできるようになっていく。今のお前はいかにも俺に助けてほしそうな顔をしていて、でもそれを言い出せずにいるようだけれども、最初に言っとくけど俺は助けてやらんよ。お前の前に立ちはだかっている困難は、かつて俺も経験した道やし、助けてやるのは簡単よ。ばってん、それをやったらお前のためにならん。1面もまだクリアしたことのないお前に、『そこの土管から3面にワープできるぞ』と教えてやるのは簡単やけど、そこでワープしたところで、今のお前の実力では瞬殺される(笑)1面、2面とたいへんな思いをしてクリアしてきて3面で失敗したらすべてがパーになるとしたら痛手は1面よりもはるかに大きい。最初のうちの失敗は何度失敗しても大したことにはならんけど、だいぶ後になって規模が大きくなってからの大失敗は致命的になる。今お前を助けてやって『必ず経験しておくべき失敗』をせずにやり過ごしてしてまい、後になって致命的な失敗をしてしまうようなことになってはお前のためにならん。だからそう言っとるんやぞ。困難に目を背けず、苦労から逃げず、誰に対しても一切の言い訳をせず、正面から堂々とぶつかっていって、なにがなんでも自分で何とか解決せい!」

 
 
 
本当に事業推進とは、起業に関わらずこの繰り返しなんです。
エクセル上では黒字の美しい計画、会員も大量に集まり、開発期間、そしてローンチ。3ヶ月後、想定通りに黒字化&ユーザー数目標に到達! なんて、ことは絶対と言ってよいほど無いんです。
 
本当に些細なことまで、何度となく壁にぶつかり続けるものです。
でも、それが楽しい。何よりも起業の醍醐味。論語にも、孫氏の兵法にも、ドラッガーのマネジメントにも、現代も生きるスタンフォードのティナ・シーリグ氏も、孫氏も、ユニクロ柳井氏も、SBI北尾氏も、全ての人は失敗は通過点であることを諭してくれています。
そうと知っていれば多少のヘッジを取りながら、正しく舵取りができそうですよね。
 
 
高速でプロトタイプを作る、失敗する、また作る、失敗する、
そしてまた作る、そして失敗して、そして良くなっていく。
このループしかないんじゃないでしょうか。(LINK : リーンスタートアップのレビューも是非
 
 
 
この流れこそが、
missionに向かって、最短経路を突き進めていることと思います。
 
 
 

長くなりましたが・・・

以上の3点を頭に入れながらスタートアップの経営できると、良いんじゃないかなぁ〜なんて思っています
もし、これから創業予定の方とか、創業して間もない方のためにならば、とても幸いです。

しかし、経営を始めてからは特に、社会や仲間に支えられていることを実感します。有り難い限りです。
これからも、株式会社Loco Partnersと、篠塚 孝哉を、ともどもよろしくお願いします。m(_ _)m
 
 
 

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